「AIで動画を作りたいが、横向きしか作れない」という悩みが解消された
「TikTokやReelsに投稿したいのに、AI動画生成ツールは横向き動画しか作れない」——そう感じていたクリエイターにとって、2026年1月のVeo 3.1アップデートは待望のアップデートでした。
Googleが2026年1月13日にリリースしたVeo 3.1は、AI動画生成の世界に複数の「業界初」をもたらしました。真の4K(3840×2160ピクセル)、9:16縦型動画のネイティブ対応、そして音声と映像を同時に生成するネイティブオーディオ——これらは動画クリエイターが長年待ち望んでいた機能です。
この記事では、Veo 3.1の主要機能・使い方・料金・他ツールとの比較を、動画制作の初心者にも分かりやすく解説します。
AI動画生成の現在地——なぜVeo 3.1が注目されるか
2024〜2025年にかけて、AI動画生成ツール市場は急速に拡大しました。Runway、Kling AI、Sora、Pixverseなど多くのツールが登場しましたが、それぞれに課題がありました。
| ツール | 最大解像度 | 縦型対応 | 音声生成 | 参照画像 |
|---|---|---|---|---|
| Sora 2 | 1080p | ○(後処理) | △ | 1枚 |
| Runway Gen-3 | 1080p | △ | × | 1枚 |
| Kling AI 2.0 | 1080p | ○ | × | 1枚 |
| Veo 3.1 | 4K | ○(ネイティブ) | ○(ネイティブ) | 最大4枚 |
Veo 3.1は特に「解像度」「縦型対応」「音声生成」の3点で他ツールを大きく上回っており、2026年3月時点でAI動画生成のトップモデルとして評価されています。
Veo 3.1の主要機能
1. 真の4K動画生成
Veo 3.1の最大のアップデートが4K(3840×2160ピクセル)への対応です。これはAI動画生成ツールとして業界初の水準です。
実用的に何が変わるか:
– 大型ディスプレイやデジタルサイネージへの出力が劣化なく可能
– 動画をトリミングしても十分な解像度が残る
– YouTube・Netflix品質のコンテンツ制作に近づく
対応解像度の選択肢は720p / 1080p / 4Kから選べます。4K生成は処理時間が長くなるため、用途に合わせて使い分けが推奨されます。
2. 縦型動画(9:16)ネイティブ対応
TikTok・YouTube Shorts・Instagram Reelsで使われる縦型(9:16)フォーマットにネイティブで対応しました。
これまでのAI動画生成ツールは横型(16:9)で生成したものを後からトリミングする必要があり、以下の問題がありました。
- フレームの端が切れてしまう
- 被写体が画面外に出てしまう
- 画質が低下する
Veo 3.1では縦型を最初から意図した構図で生成するため、これらの問題が解消されます。縦型プロンプトの際に「vertical format, 9:16, portrait orientation」と明示することで最適な構図が生成されます。
対応アスペクト比:
– 16:9(横型・標準)
– 9:16(縦型・スマホ向け)
– 1:1(正方形・Instagram向け)
3. ネイティブ音声生成
Veo 3.1の特筆すべき機能が音声の自動生成です。映像と音声を別々に生成して後から合わせるのではなく、映像と音声を同時に生成するジョイント拡散プロセスを採用しています。
この仕組みにより:
– 環境音: 波の音、車の走行音、森の鳥の声などが映像に自然に同期
– 効果音: 扉が閉まる音、テーブルに物を置く音など動作と完全に一致
– 会話の口の動き: 会話シーンでは口の動きと音声が120ms以内の精度で同期
生成される動画の長さは最大8秒で、音声も同じ長さで生成されます。
4. Ingredients to Video(食材→動画)機能
Veo 3.1で大幅に強化されたのが「Ingredients to Video」機能です。最大4枚の参照画像を入力として動画を生成できます。
活用例:
– 商品写真4枚 → その商品が動く広告動画
– キャラクターデザイン画 → キャラクターが動くアニメーション
– 料理写真 → 料理が完成する過程の動画
– 場所の写真 → その場所を歩き回るカメラワーク動画
従来の1枚参照と比べて、複数画像を参照することでキャラクターや商品の一貫性が大幅に向上しています。
5. ビデオ拡張(Video Extension)
既に生成した動画を延長する機能が追加されました。8秒の動画の末尾に続きを生成することで、より長い動画を作成できます。
またフレーム指定生成にも対応しており、「最初のフレーム」「最後のフレーム」、あるいは「最初と最後の両方のフレーム」を指定して、その間をAIが補完するような生成も可能です。
Veo 3.1の使い方——ステップバイステップ
アクセス方法
Veo 3.1は以下のサービスから利用できます。
| サービス | 対象ユーザー | 特徴 |
|---|---|---|
| Geminiアプリ | 一般ユーザー | ブラウザ・モバイルから手軽に利用 |
| Google AI Studio | 開発者・パワーユーザー | APIを直接試せる実験的環境 |
| Gemini API | 開発者 | アプリへの組み込みに使用 |
| Vertex AI | 企業・エンタープライズ | 大規模・商用利用に対応 |
| YouTube Shorts(Flow) | 動画クリエイター | YouTube内で直接利用 |
| Google Vids | ビジネスユーザー | Workspace統合で資料動画を作成 |
Geminiアプリでの基本的な使い方
ステップ1: Geminiアプリを開く
gemini.google.com またはスマホのGeminiアプリを開きます。動画生成にはGemini Advanced(月額2,900円)が必要です。
ステップ2: 動画生成モードを選択
テキスト入力欄左のアイコンから「動画を生成」を選択、またはVeo 3.1が自動的に選択されます。
ステップ3: プロンプトを入力する
プロンプトは日本語でも入力できます。ただし、英語プロンプトの方が現時点ではより精度の高い結果が得られる傾向があります。
効果的なプロンプトの構成:
[被写体] + [動作] + [場所/背景] + [カメラワーク] + [雰囲気/スタイル]
例:
– 「白いドレスの女性が桜並木を歩いている、スローモーション、映画的な光、縦型動画」
– 「新鮮なオレンジをスライスする手、クローズアップ、明るいキッチン、包丁が入る効果音あり」
ステップ4: 参照画像を追加する(任意)
「Ingredients to Video」を使う場合、画像アップロードボタンから最大4枚の参照画像を追加します。
ステップ5: 解像度とアスペクト比を設定する
- 解像度:720p / 1080p / 4K から選択
- アスペクト比:16:9 / 9:16 / 1:1 から選択
ステップ6: 生成して確認する
生成ボタンを押すと処理が開始されます。1080pの場合、通常30秒〜2分程度で完成します。4Kは5〜10分かかる場合もあります。
Gemini APIでの使い方(開発者向け)
Gemini APIでVeo 3.1を使う場合は、以下のコードが基本形です。
import google.generativeai as genai
genai.configure(api_key="YOUR_API_KEY")
# Veo 3.1 でビデオ生成
model = genai.GenerativeModel("veo-3.1-generate-preview")
response = model.generate_video(
prompt="A serene Japanese garden with koi fish swimming, soft rain falling, vertical format",
config={
"aspect_ratio": "9:16",
"resolution": "1080p",
"duration_seconds": 8,
"generate_audio": True
}
)
# 動画ファイルを保存
with open("output.mp4", "wb") as f:
f.write(response.video_data)
また高速生成が必要な場合はveo-3.1-fast-generate-previewモデルを選択すると処理時間を短縮できます(品質はやや低下)。
料金——どのくらいかかるか
Geminiアプリ経由
| プラン | 月額 | Veo 3.1利用 | 生成上限 |
|---|---|---|---|
| Gemini 無料 | 無料 | × | — |
| Gemini Advanced | 2,900円 | ○ | 月60本程度(目安) |
| Google One AI Premium | 2,900円 | ○ | Advanced相当 |
API・Vertex AI経由
Gemini APIでの利用は従量課金です。APIへのアクセスは有料プラン($10/月以上のティア)が必要です。
Vertex AIでは生成動画の秒数×解像度に応じた課金となります。Google Cloudの新規ユーザーは$300分の無料クレジットが利用できるため、最初の試用はコストゼロで可能です。
競合ツールとの比較
Veo 3.1と主要な競合ツールを比較します。
| 項目 | Veo 3.1 | Sora 2 | Kling AI 2.0 | Runway Gen-3 |
|---|---|---|---|---|
| 最大解像度 | 4K | 1080p | 1080p | 1080p |
| 縦型(9:16) | ネイティブ | 後処理 | ネイティブ | △ |
| ネイティブ音声 | ○ | △ | × | × |
| 参照画像数 | 最大4枚 | 1枚 | 1枚 | 1枚 |
| 最大動画長 | 8秒 | 60秒 | 10秒 | 10秒 |
| 動画延長 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 商用利用 | ○ | ○ | ○ | ○ |
4K・縦型・音声の3点でVeo 3.1が優位に立つ一方、動画の長さ(最大8秒)はSoraの60秒と比べて短い点は注意が必要です。長尺の動画が必要な場合はVideo Extension機能で複数クリップをつなぐか、他ツールとの使い分けが現実的です。
実際の活用シーン
SNSマーケティング担当者
縦型9:16でTikTok・Reels用の商品紹介動画を生成。商品画像4枚をIngredients to Videoに入力するだけで、商品が動くプロモーション動画が完成します。
YouTuber・動画クリエイター
ショート動画のサムネイル動画(冒頭1〜3秒のループ)をVeo 3.1で生成。実写撮影では作れないような幻想的なシーンも実現できます。
ECサイト運営者
商品写真から動く動画広告を自動生成。静止画広告と比べてエンゲージメント率の向上が期待できます。
アプリ・ゲーム開発者
Gemini APIを組み込んで、ユーザーのプロンプトからリアルタイムに動画コンテンツを生成するアプリを開発できます。
それでも懸念があるあなたへ
Veo 3.1に対する現実的な懸念点を整理します。
懸念1: 生成動画は著作権的に問題ないか?
GoogleはVeo 3.1で生成した動画の商用利用を許可していますが、生成された動画に既存著作物(特定の俳優の顔・有名キャラクターの模倣等)が含まれないよう、Google側でフィルタリングが実施されています。プロンプト次第で著作権問題が生じる可能性はゼロではないため、商用利用時は内容の確認が必要です。
懸念2: 8秒では短すぎる
現時点では8秒が上限です。ただしVideo Extension機能で複数クリップをつなぐことで、実質的により長い動画を作成可能です。将来のアップデートで長尺対応が拡充される見込みです。
懸念3: 4K生成は重すぎる
4K生成はクラウド処理で行われるため、手元のPCスペックは問いません。ただしレンダリング時間が長くなるため、試作段階は1080pで確認し、最終出力だけ4Kにする運用が効率的です。
よくある質問
Q. Veo 3.1で生成した動画を商用利用できますか?
はい、Gemini Advanced・Gemini API・Vertex AI経由で生成した動画は商用利用が可能です。ただしGoogleの利用規約に従う必要があります。AIで生成したコンテンツを使用した広告やSNS投稿には、適切な開示が求められる場合があります(各プラットフォームのポリシーを確認してください)。
Q. 日本語プロンプトで動画を作れますか?
はい、日本語プロンプトに対応しています。ただし英語プロンプトの方が精度が高い傾向があります。重要な案件では英語でプロンプトを作成し、ChatGPTやDeepLで翻訳してから使う方法も有効です。
Q. 特定の人物・顔を動画に登場させることはできますか?
実在する特定人物の顔を生成するプロンプトはGoogleのポリシーで制限されています。キャラクターデザイン画を参照画像として使う場合は、著作権・肖像権に配慮してください。
Q. Veo 3.1とVeo 3.0の違いは何ですか?
主な差分は4点です。①縦型(9:16)ネイティブ対応、②4K解像度対応、③参照画像が最大4枚に増加(旧3枚)、④音声生成精度の向上。Veo 3.0でできたことはすべてVeo 3.1でも可能です。
Q. Vertex AI経由での利用にはGoogleアカウントとは別の手続きが必要ですか?
はい、Google Cloudアカウントの開設と課金設定が必要です。Google Cloudは初期設定に少し手間がかかりますが、Vertex AI公式ドキュメントにステップバイステップのガイドが用意されています。
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まとめ——4K・縦型・音声で、AI動画生成の常識が変わった
Google Veo 3.1は、AI動画生成を「試してみるもの」から「実際に使えるもの」へと引き上げた節目のアップデートです。
今回のポイントを整理します。
- 4K(3840×2160)対応で業界最高解像度を実現
- 9:16縦型動画をネイティブ生成でき、TikTok・Reels・Shortsに最適化
- 音声と映像を同時生成するネイティブオーディオで、アフレコ不要の動画が完成
- 参照画像を最大4枚使えるIngredients to Video機能でキャラクター一貫性が向上
- GeminiアプリかGemini API経由で利用可能。無料トライアルから始められる
次のアクションとして、まずGemini Advancedの無料トライアル(30日間)を使って縦型動画を1本生成してみることをおすすめします。プロンプトに「vertical format, 9:16」と添えるだけで、スマホ向けに最適化された動画が手軽に作成できます。
出典・参考情報
– Veo 3.1 Ingredients to Video: New video generation model updates | Google Blog
– Google Veo 3.1 Update January 2026: 4K AI Video, Vertical TikTok Support | Superprompt
– Generate videos with Veo 3.1 in Gemini API | Google AI for Developers
– Veo 3.1 | Generative AI on Vertex AI | Google Cloud Documentation
– Google Enhances Veo 3.1’s Ingredients to Video with Expressiveness, Vertical Format, and 4K Upscaling | Winbuzzer


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