ChatGPTの「カスタムGPTs」機能を使えば、特定の業務に特化したAIアシスタントを誰でも簡単に作成できます。プログラミング不要で、FAQ対応、議事録要約、メール作成など、繰り返し行う業務を自動化できるため、業務効率化に大きく貢献します。
この記事では、カスタムGPTsの基本から作成手順、実務活用事例、GPTストアでの公開・収益化まで詳しく解説します。
カスタムGPTsとは
カスタムGPTsは、ChatGPTをベースに、特定の用途に特化したAIアシスタントを作成できる機能です。
通常のChatGPTとの違い
| 項目 | 通常のChatGPT | カスタムGPTs |
|---|---|---|
| 指示 | 毎回プロンプト入力 | 事前設定で自動適用 |
| 知識 | 一般的な学習データのみ | 独自ファイルをアップロード可 |
| 外部連携 | なし | API連携可(Actions) |
| 公開 | – | GPTストアで公開可 |
| 用途 | 汎用 | 特化型 |
できること
- 業務マニュアルの組み込み: 社内ルールや手順書を学習させ、即座に回答
- 専門用語の理解: 業界特有の用語や略語を事前学習
- 出力フォーマットの統一: 報告書、メール、議事録などを決まった形式で生成
- 外部ツール連携: Google スプレッドシート、Notion、Slackなどと連携
利用条件
- ChatGPT Plus契約(月$20)またはTeam/Enterpriseプランが必要
- 無料プランではカスタムGPTsの作成・利用はできません
作り方手順(GPT Builder使い方)
カスタムGPTsは「GPT Builder」という対話型ツールで作成します。
STEP 1: GPT Builderを起動
- ChatGPTにログイン
- 左サイドバーの「Explore GPTs」をクリック
- 「Create a GPT」を選択
STEP 2: 対話形式で基本設定
GPT Builderが質問形式で設定を進めます。
質問例
– “What would you like to make?”(何を作りますか?)
→ 例: “営業メールを自動作成するGPT”
– “What should this GPT do?”(どんな機能にしますか?)
→ 例: “顧客情報を入力すると、提案メールの下書きを生成する”
対話を進めると、GPT Builderが自動的に設定を提案してくれます。
STEP 3: 詳細設定(Configure)
「Configure」タブで手動調整が可能です。
主要設定項目
1. Name(名前)
– GPTの名前を設定
– 例: “営業メール作成くん”
2. Description(説明)
– GPTの用途を簡潔に説明
– 例: “顧客情報をもとに営業メールの下書きを自動生成します”
3. Instructions(指示)
– GPTの振る舞いを詳細に指定
– 最も重要な設定項目
Instructions の書き方例
あなたは営業メール作成の専門アシスタントです。
【役割】
- ユーザーが入力した顧客情報(会社名、担当者名、課題)をもとに、営業提案メールを作成する
【出力形式】
- 件名: 顧客の課題に即した具体的な提案
- 本文: 導入→課題共感→提案→CTA の構成
- 敬語は「です・ます」調
- 300〜400文字
【制約】
- 過度に営業的な表現は避け、丁寧で誠実なトーンを保つ
- 顧客名は必ず正確に使用する
4. Conversation starters(会話の例)
– ユーザーが最初に押せるボタン例
– 例: “新規顧客向けメールを作成”、”フォローアップメールを作成”
5. Knowledge(知識)
– PDFやテキストファイルをアップロードし、GPTに学習させる
– 例: 商品カタログ、FAQリスト、業務マニュアル
6. Capabilities(機能)
– Web Browsing: 最新情報を検索
– DALL·E Image Generation: 画像生成
– Code Interpreter: データ分析・グラフ作成
7. Actions(外部連携)
– APIと連携し、外部サービスとデータをやり取り
– 例: Googleスプレッドシートからデータ取得、Slackへ通知送信
STEP 4: テスト
「Preview」画面で実際に動作確認します。
- サンプル入力を試す
- 出力が期待通りか確認
- 問題があればInstructionsを修正
STEP 5: 保存・公開
保存オプション
– Only me: 自分だけが利用
– Anyone with a link: リンクを知っている人が利用
– Public: GPTストアで公開
設定項目の詳細
Instructions(指示)の書き方
Instructionsは、GPTの振る舞いを決定する最重要項目です。
効果的な書き方
1. 役割を明確に: “あなたは〇〇の専門家です”
2. 出力形式を指定: “以下の形式で出力してください”
3. 制約を設ける: “〇〇はしないでください”
テンプレート例
【役割】
あなたは{専門分野}の専門家です。
【タスク】
ユーザーが{入力内容}を入力したら、{処理内容}を実行してください。
【出力形式】
- 項目1: {内容}
- 項目2: {内容}
【制約】
- {やってはいけないこと}
- {注意点}
Knowledge(知識)の活用
アップロード可能なファイル
– PDF、DOCX、TXT、CSV
– 1ファイル最大512MB、合計10ファイルまで
活用例
– FAQ対応GPT: よくある質問リストをアップロード
– 業務マニュアルGPT: 社内手順書をアップロード
– 商品紹介GPT: カタログPDFをアップロード
注意点
– 機密情報を含むファイルは慎重に扱う
– GPTストアで公開する場合、ファイル内容も公開される
Actions(外部連携)の設定
Actionsは、OpenAPI形式でAPI仕様を定義します。
設定手順
1. 「Add Action」をクリック
2. API仕様をJSON形式で入力
3. 認証方法を設定(API Key、OAuth等)
活用例
– Googleスプレッドシート連携: データ取得・書き込み
– Slack連携: メッセージ送信
– Notion連携: ページ作成・更新
※詳細はOpenAI公式ドキュメント参照
活用事例
実務で役立つカスタムGPTsの例を紹介します。
事例1: FAQ Bot
用途: 社内・顧客向けのよくある質問に自動回答
設定
– Instructions: FAQ形式で簡潔に回答
– Knowledge: FAQ.pdfをアップロード
– 公開範囲: 社内のみ(Anyone with a link)
効果
– 問い合わせ対応時間が50%削減
– 担当者不在でも即座に回答可能
事例2: 議事録要約GPT
用途: 会議の音声文字起こしを構造化された議事録に変換
設定
– Instructions: 決定事項、タスク、次回アクションを抽出
– 出力形式: Markdown形式
– Capabilities: Code Interpreter(テキスト解析)
効果
– 議事録作成時間が30分→5分に短縮
事例3: メール作成GPT
用途: 営業・カスタマーサポートのメールテンプレート生成
設定
– Instructions: 顧客情報から適切なメールを生成
– Knowledge: メールテンプレート集
– Conversation starters: “新規顧客向け”、”フォローアップ”等
効果
– メール作成が毎回10分→2分に短縮
事例4: データ分析GPT
用途: CSVファイルをアップロードして分析・グラフ化
設定
– Capabilities: Code Interpreter有効
– Instructions: データの傾向分析、グラフ作成
効果
– データ分析の敷居が下がり、非エンジニアも活用
GPTストアでの公開方法
作成したGPTsをGPTストアで公開し、他のユーザーに使ってもらえます。
公開手順
- GPT作成画面で「Public」を選択
- 「Save」をクリック
- 自動的にGPTストアに掲載される
公開時の注意点
- 利用規約遵守: 違法・有害なコンテンツは禁止
- プライバシー: 機密情報を含むKnowledgeファイルは公開しない
- 品質: 不具合のないようテストを十分に行う
GPTストアでの露出を高める方法
- わかりやすい名前: 用途が一目でわかる名前にする
- 詳細な説明: Descriptionで具体的な使い方を説明
- カテゴリ選択: 適切なカテゴリ(ビジネス、教育等)を選ぶ
収益化の可能性
2026年現在、OpenAIは「GPT Builder Revenue Program」を一部地域で試験運用中です。
現状の収益化モデル
- 利用回数に応じた報酬: GPTの利用回数が多いほど報酬が増える
- 対象地域: 米国中心(日本は未対応の場合あり)
将来的な収益化の可能性
- サブスクリプション型: 月額課金で高度な機能を提供
- 企業向けライセンス: B2B向けのカスタムGPT販売
※詳細はOpenAI公式発表を参照
注意点・制約
データプライバシー
- GPTsにアップロードしたファイルはOpenAIのサーバーに保存される
- 機密情報や個人情報を含むファイルは慎重に扱う
- 企業利用の場合、ChatGPT Enterpriseプランの利用を推奨
利用制限
- API呼び出し上限: Actionsを使う場合、外部APIの制限に注意
- ファイルサイズ: Knowledge は合計10ファイル、各512MBまで
メンテナンス
- ChatGPTのアップデートにより、GPTsの動作が変わる可能性あり
- 定期的に動作確認を行う
よくある質問
Q1. プログラミング知識がなくても作れますか?
作れます。基本的な設定は対話形式で完結します。ただし、Actionsを使う場合はAPI知識が必要です。
Q2. 無料プランでも使えますか?
使えません。ChatGPT Plus(月$20)以上の契約が必要です。
Q3. 作ったGPTsを販売できますか?
現時点では直接販売する仕組みはありません。将来的にOpenAIが収益化プログラムを拡充する可能性があります。
Q4. 社内限定で使いたい場合は?
「Anyone with a link」で保存し、リンクを社内のみで共有すればOKです。より厳格な管理が必要な場合は、ChatGPT Teamプランを検討してください。
関連記事
関連記事:
– ChatGPT使い方ガイド|初心者から上級者まで役立つ活用法
– ChatGPTプロンプトガイド|効果的な指示の書き方10選
– ChatGPT無料版と有料版の違い|Plusに課金すべき人の特徴
– ChatGPT API活用ガイド|自動化・連携の実装方法
– GPT-4oの新機能まとめ|無料で使える音声・画像認識の使い方
おすすめ書籍
AIツールの活用スキルをさらに高めたい方におすすめの一冊です。
【PR】
出典
- OpenAI「GPTs Documentation」
- OpenAI「GPT Builder Guide」
- OpenAI「Custom GPTs Policies」
- ChatGPT公式ブログ「Introducing GPTs」


コメント